舞台で世界が変わる

TEAMNACSをはじめとした趣味をつらつら書いてます。

①TEAMNACS本公演『HONOR』の何がいい? 理由を考察してみた

2007年のTEAMNACS第10回公演『HONOR』。
なんといっても私はこの公演が1番好き。そして、ファンの中でもこの作品が好きな人が多い!

 

私は、なにかといえばTwitterで『HONOR』だなんだと騒いでいますが、なぜ、そこまでトリコにさせたのか、なぜ好きなのか、今回は多くの人に『HONOR』の魅力を伝えたいと思います。

 

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今回、フォロワーさんとの企画第2弾でイラストを描いてくださったのはC.Cさん(@cc_useless)!

 

C.Cさんは、NACS箱推しのどうでしょう藩士

柔らかいタッチがとても好きで、『HONOR』について書く時は、ずっとC.Cさんにお願いすると決めていました!

素敵な絵を本当にありがとうございました!!

こちらのイラストも見てくださいね!

 

 

nacs8.hatenablog.com

 

 

 

さて、円盤化される舞台は割と少ないですが、『HONOR』は円盤化されています。

  

メイキングと副音声付きです!

絶対に副音声は、本編を見た後にご覧ください!!!!!(副音声だと本編の声も聞き取りづらいし、うん、あとは、実際に聞いて理由を分かってもらおう…)

 

 

 

1.あらすじ


『TEAMNACS』公式サイトから簡単にあらすじをご紹介します。

知ってる人は飛ばしちゃって~!

人口650人の架空の村にスポットをあてた70年に及ぶ物語。今回の作品ではTEAM NACS原点回帰の意も込めて、みんなにとって“ふるさと”とは何かを訴える、ノスタルジー溢れる郷愁人情ファンタジー物語。

脚本・演出:森崎博之
出演:TEAM NACS(森崎博之 安田顕 戸次重幸 大泉洋 音尾琢真
公演日程:2007年3月9日~5月13日
全63ステージ
動員数:48,000人

70年にわたる1つの村の物語を描いた『HONOR』。
脚本・演出はTEAMNACSリーダーの森崎博之さんです。

 

音楽は『関ジャム』にも出演してる、NAOTOさん!

サントラも発売されています。(サントラについては別記事を参考にしてください お楽しみに!)

 

 

 

 

もし「まだHONORを見てないよ」っていう人は以下からネタバレを含みます。「HONORを見た」という人が読んで楽しめる内容になっていますので、ぜひお買い求めいただいてから続きをどうぞ!買って後悔はしない内容です!

 

2.何がいいのか【ここから本題だよ】

この話は簡単にまとめると3つのポイントがあります。

 

①70年にわたる1人の男の恋模様

②1人の男と4人の子供たちの成長物語

③太鼓と祭りが繋ぐ70年の思い

 

 

これ、頑張って統括して3種類にした感じです。それでも長いです。全然書き切れてない!

もっと詳しい内容は、場ごとに語っている記事をご覧ください。(今頑張って書いてるところ)

 

 

 

3-① 70年にわたる1人の男の恋模様

 知っている人がほとんどだと思いますが、流れをまとめます。

■流れ■

幼なじみの五作(安田顕)とチエ(音尾琢真)。

五作はチエへの恋心に気づかないまま、チエに恋人(森崎博之)ができてしまう。

恋人が戦争に行き、チエは1人になることを恐れる。その後、五作も出兵に。

五作は出兵前に「太鼓を叩いて出迎えてくれ」とチエに頼んだ。

 

帰国の日、チエは約束通りヤグラで太鼓を叩いて五作を出迎えた。しかし悲劇が起きた。ヤグラが燃えてチエは事故死。告白も帰ってきた報告もできないままチエと別れることになってしまった。


「なんで好きだと言えなかったのだろう」とずっと後悔が募る五作。死者の魂が宿ると聞いた神木様は燃やされてしまった。


年齢を重ねてボケてしまった五作。花男(※戸次重幸)に対して、「もうどこにも行かんでくれ、チエ!」といって手を離さない。※当時は『佐藤重幸

 

五作はついに死んでしまう。魂はずっと手入れを続けてきた神木様のところにやってきた。

 

数十年がすぎ、村はほかと合併。最後の村の祭りが行われた。五作は最後の祭りを見守り、花火を見ると神木様の元で待っていたチエと初めて合流する。

 

ざっと流れはこんな感じ。この話の80%ぐらいは恋愛物語なんじゃないかなって思ってしまうぐらい重要で骨太なところだと思う。

 

■考察■

きっと五作は、失恋をして初めて恋心に気付いたのだろう。

自分が「太鼓を叩いて出迎えてくれ」といったばかりにチエは亡くなってしまった。

告白できないまま、自分のせいで永遠の別れとなるのは、悔やんでも悔やみきれないほどだろう。

 

さらに神木様が燃やされてしまった。五作は神木様に「よかったね、チエ」と呼びかけていたように、五作にとって神木様はチエと繋がれる最後の砦だったのかもしれない。

 

しかし、その神木様が燃えたことにより、チエとの繋がりは全てなくなってしまった。何もかも失われた。やっとチエとのつながりを見つけられたと思ったらまた離されてしまう。(でもチエは神木様のところには来ていなかったのかな…)ここが、とにかくつらすぎる!

 

チエとの出来事はあまり描かれていない。ただ、太鼓の教え子の花男をチエと勘違いすることが多々あった様子。チエを忘れることはずっとなかったのだろう。

 

チエの姿が現れ、一緒になれたのはラストのエンディング。きっと亡くなってから2人は一緒になって木に宿ったのだろう。もし五作がなくなってから神木様にチエが来ていても、秀一(大泉洋)にはチエが分からないから呼び出せないし分からない。

 

村が終わる最後の祭りを見届けに下界にやってきたであろう五作。普段は、2人一緒にいて彼が戻ってくるのをチエは待ってたんだろうね。

 

この失恋からの、永遠の別れ、そして最後に笑顔の再会という流れがHONORの泣けるポイントの1つだと思う。

 

 

 

3-②1人の男と4人の子供たちの成長物語

■流れ■

出会いは子供たちが小学5年生の時。五作の同級生たちの孫だった。

白樺の木で作った太鼓を売っていた五作。学校帰りの4人が売り物の太鼓で遊び始めてしまった。五作は太鼓に興味を持ってくれた子供たちに怒るのではなく、チエが教えてくれたあの時のようにバチの振り方から教えた。

その後、成長して4人は五作から太鼓を習うことに。しかし、街では五作から教わることをよくないと思う大人が多くいた。結局、中学生まで太鼓を習っていたのは花男だけだった。しかし反抗期になるにつれ、花男を始め4人はバンドに夢中になる。

花男は五作とケンカ別れをして上京していた。

時が過ぎ、社会人になった4人。五作が森で倒れたとの連絡を受けて再会。

昔話はホラ話だと思っていたが、実はすべて実話だった事を知る。

五作の見舞いに来た4人。ボケてしまった五作に思い出してもらおうと、花男がチエに扮装。しかし、五作はボケていても花男だと分かり、また太鼓を叩くように指示をする。

4人は、五作を元気づけようとアイディアを出し合いオーロラを作り出す。ようやくできた頃、五作がなくなったという知らせが届く。

本当は翌日に五作を含めた5人で太鼓をたたいて祭りをしようという計画だった。

翌日、4人で太鼓をたたいていると五作(の魂)がやってきた。5人で太鼓をたたいて祭りは終わる。

 

 ■考察■

秀一以外の3人は上京してもみんな仕事がうまくいってないのよね。

村に残った秀一を含め4人をつないだのは五作の育てた白樺の木だった。

 

花ちゃん(花男)は、五作さんに反抗してたけど心から嫌ってたわけじゃないと思うんだよな。第4場(学校祭)の最後に、五作さんに謝ろうとするんだけど追い返すのがとてもいいシーンで。花ちゃんにだけ苗じゃなくて木を送ってるのも、弟子として可愛がってたからだと思う。

 

チエと同じ「弧を描くように振り上げてそのまま下に振り下ろす」と太鼓を教える五作。この言葉はずっと五作の中で残っていて、五作のその後の人生を変えた瞬間だったんだと思う。

 

「みんなで叩くと楽しいんだ、太鼓は」というのも、チエが言ってたよね。

 

花ちゃんは、女っぽい男(あえてこういう言い方に)

チエは、男っぽい女。

似てるようで似てないところがまた、五作に何か想いを募らせたのかもしれない。

 

五作の死を初めて見たのは愛弟子の花男くん。秀一だけ五作の魂が見えているのは、ずっと五作の隣で植樹とかの世話をしてたからなのかな。

 

5人で太鼓を叩くことをまた叶えられなかった五作が1番悔しかったと思う。ここはいつも号泣しちゃう。

 

「恵織の村に祭りを蘇らせてくれてありがとう」ってことはやっぱりあの事故以来禁止されてたんだろうね。禁句でもあったみたいだし。

 

5人の太鼓がある9場も名シーン。

木に手を合わせてから太鼓に向かい、暗転の中、洸太と秀一が花男に手を置いて「がんばれ」ってやるの。それからの、五作さんの魂に気付いた花ちゃんのあの表情がとてもいい。

 

5人用の大きい太鼓が白樺で作ってあったけど、あれはチエがいた頃から5人で叩くためにあったものなのかな?

 

4人は白樺と共に成長し、五作が育てた孫たちと言ってもいいぐらい。ちなみに、秀一だけ、花男くんのことを花ちゃんって呼ばないんだよね。なんでだろ。認めたくないのかな。

 

 

 

3-③太鼓と祭りが繋ぐ70年の思い 

 

ここは流れも何もなく、舞台全体のストーリー。

 

五作の少年時代を13歳とし、亡くなる年が83歳で70年を描いた話。でも実際は、あの孫世代が83歳になってるところまで描いてるから、100年近くいきそうだけど…。

 

五作はずっと、祭りをやりたがっていた。

五作も、チエも、そして孫世代たちも。祭りで始まり、祭りで終わるこの舞台は、もう祭りじゃん!(ちょっと何言ってるのか分からない)

 

物語の裏ではずっと、太鼓と祭りが繋がっているんだよね。うまく言えないけど…。

 

太鼓に興味のなかった五作をチエが誘う

チエに太鼓をたたいて祭りをやってくれと五作が頼む

チエが亡くなって、こんな時だからこそ祭りをやろうと話す

孫世代の小学生たちに太鼓の楽しさを教える

村で祭りの話は禁句になってしまったが、孫世代は気になっている

五作のために、祭りを復活させようと計画

村の最後まで祭りは続く

 

祭りと太鼓とともにある恵織村なんだな。

 

 

 

なんだかうまくまとまらないね…。

HONORのよさは一言では語り切れないものだと思う。だからこそいいのかもしれない。

結局、何がいいかというとこの3つのポイントから泣ける舞台なのがいいんですよね。

ただ涙を流すのではなく、悲しみ、辛さ、感動が交わる。

そして村の暖かさ、人のつながりが全てが愛おしく感じる。五作とチエが2人一緒になる分かりやすいハッピーエンドなのもいい。でも1番は、恋愛ストーリーだから好きなのかな。

 

HONOR以降、森崎さんのオリジナル脚本・演出はまだないんだよね。見たいなぁ…。

 

ちなみに、ここまで読んでくれた人で『HONOR』まだ見てない人とかいないよね?

いても怒らないから、見てね!(笑)

しつこいわw

 

いろいろな考え方や、感想があるのが舞台だと思います。

きっと私の考察も「こうじゃないでしょ」と思う人もいるかもしれません。

でもここまで読んでくれてありがとうございます。

 

Twitterでも、ここのコメントでもいいのでなにか感想やら、考察の交流ができたら嬉しいです。

 

シーンごとに考察や感想を垂れ流す記事を投稿しています。

 こちらも読んでいただけたら嬉しいです!

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

↓NAOTOさんと森崎博之さんのNACS本公演のサントラコンサート

HONORのこぼれ話もあります 。

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↓本公演はたくさんあります。自分に合った作品を探してみてね。

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↓こちらも大好きな舞台。YouTubeで無料公開されていますよ。

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